走行ポイントを見極める、下見が大切
バイクは基本的には水に弱い乗り物です。
普段の雨や雪くらいであればそれほど気にすることはないのですが、車体が完全に水に入ってしまうと車体下部にあるエンジンが浸水してしまい、致命的な故障を起こしてしまうことになります。
しかしその一方で動画などでよくバイクで川を渡っている人の様子がアップロードされています。
そうした動画を見るといかにも楽しそうに水を跳ね上げ、まるで水上を走るジェットスキーであるかのような走行をしています。
動画だけを見ていると自分のバイクでも同じように川渡りができるのではないかと思ってしまうところですが、あれはかなり綿密に計算をしてコースを決めて渡っているか、もしくは偶然成功をしたものだけを編集しているのであまり鵜呑みにしすぎないことが重要です。
「バイクで川渡りができるか?」という質問があるなら一応解答は「できる」ということになりますが、それは水深や水流の強さが一定以内に限られた場所だけです。
まず川渡りをするためのバイクですが、これはオフロードバイクであることが前提条件です。
というのも一般の公道用のバイクの場合、マフラーの位置が低く設定されているので、そのまま水に入ってしまうと僅かな水深でもすぐ浸水してしまい排気ができなくなります。
その点オフロードバイクは泥はねなどを防ぐためにアップマフラーとなっているのである程度の水深であれば排気を妨げられることはありません。
また同じ理由でオフロードバイクはバイクの底面のエンジンの密閉性が高く作られていることから、長時間でなければ浸水せずに走行をすることが可能です。
バイクで川渡りをするときのコツとしては、「走行るコースを下見して水深が一定以下であることを確認する」ということと、「川上方向から川下に向かって走行する」ということの2つが挙げられます。
水深の判断基準としては、マフラが浸水しないこととキャブレターもしくはインジェクションが浸水しない高さであるということです。
また川には必ず流れがあり、浅瀬でもかなりの強さの部分がありますので川下方向から川上に向かって走るとバイクのパワーが水流に負けて立ち往生をしてしまう危険があります。
公道以外を走行する時のマナー
バイクで公道以外を走行するときに気をつけたいのが周囲へのマナーです。
先に動画でバイクの川渡りが紹介されていることを書きましたが、中には環境面への影響から非常に辛辣な意見が向けられていたりします。
バイクが浸水することによりオイルなどで水流を汚染する危険がありますし、周辺に人家が合った場合には騒音などで大きな迷惑をかけることになります。
オフロード走行をする時には公道と異なるマナーが求められるので、ライダー全体の評判を下げないためにもきちんと周囲を気遣った運転をしていきましょう。